2023.05.18 社内報制作の基礎
企業内でのコミュニケーションを円滑にするために重要な社内報。特に特集は社内報の数ある企画の中でも、編集部や制作チームが注力するコーナーです。そのため、企画やデザインに悩んでいるご担当者も多いことでしょう。本記事では、特集記事の企画やラフ作成、デザインのコツをご紹介します。
目次
社内報は企業が社員に対して情報を提供し、会社が抱える課題を解決するためのツールです。社内報を読んだ社員が意識や行動に変化を起こし、課題の解決に貢献。その結果、経営の改善につながっていくという流れを生み出すことが、社内報の理想の姿となります。
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社内報がツールとしての役割を果たすためには、まずなによりも読者=社員の興味・関心を引き、手に取って読んでもらう必要があります。そして、内容について理解・共感してもらわなければなりません。こうした企画を考えるべく、記事を目にしたときの読者の反応を、常に想像することを心掛けましょう。
関連記事読まれる社内報企画は社員への想像力から生まれる社内報は、社員たちの意識や行動を変えていく大きな力を秘めています。企画の出発点は社員の気持ちや行動を想像すること。あなたの企画に社員はどう反応し、行動しますか。
また、企画の中でも最も力を入れたいのが特集です。特集はページ数が多く、内容を深堀することができるため、準備には相当の労力が必要です。しかしその分、編集部や制作チームの考え方や個性を出しやすいですし、読者=社員にとっても、会社が発行する社内報でどのような特集が組まれるのか期待するページとなります。会社が伝えたいメッセージと社員の興味・関心がうまく組み合わさった良い特集企画が実現すれば、社内報自体の魅力向上にもつながるはずです。特集の企画はテーマや切り口を工夫しながら、編集部のエネルギーを注ぎ込みましょう。
関連記事社内報の特集は、力を入れて企画しよう冊子で最もエネルギーを注ぎたいのが特集。冊子の元気の源です。編集部の思いが端的に伝わるコーナーにもなります。
読者に伝わる冊子を作るためには、企画だけでなく、誌面の要素のボリュームやデザイン、文章の読みやすさなども重要です。誌面の要素やバランスを見える化するためには、誌面の具体的な図(ラフ)を書くことをおすすめします。また、ラフは記事の方向性やアイデアを絵として形にするため、編集部のメンバーやデザイナーへの共有・確認にも役立ちます。特に特集は扱う内容や素材、ページ数が多くなります。制作にかかわる人数も増えがちです。場合によっては、取材先などから「あれも載せてほしい」「これも載せてほしい」とたくさんの要望がくることも。しかし、すべてを誌面に盛り込もうとすると、すべてが中途半端となってしまいます。そのような場合に備えてラフを作っておくと、整理や確認、認識の共有がしやすく、進行をスムーズに進められます。
最初は、単純なスケッチやイメージを書き出すだけでも構いません。ラフを描き始める際は、とにかくまず「手を動かしてみる」ことが大切です。
手を動かしてキーワードなどの取捨選択を繰り返しているうちに、優先順位の高い項目や並列で伝えたい要素が少しずつ見えてきます。
ラフの完成後は、その要素にあわせて取材や撮影、原稿作成などの素材の準備を進めていきます。誌面の作成に必要な要素を目で見ることができるので、必要な見出しや画像の配置・数を常に確認でき、内容の重複や漏れにも気づきやすくなります。
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社内報特集の定番ともいえる、トップメッセージ。経営方針の理解・浸透の促進や社員に会社の現状を伝え意識や行動を変えてもらいたいという願いが込められた、大切な企画です。トップの思いやメッセージを社員に伝えようとするため、文章が多くなりがちですが、見出しやリード文章で社員の興味を引くように工夫したり、要点が分かりやすいようにまとめたりしましょう。
ラフ例では、コーナーの最初に大きくトップの写真とタイトル・リードを掲載し、社員の興味を引くようにしています。また本文見出しとは別に、トップの発言の中で印象的・重要な言葉を写真にかぶせるように引用。パッと見でも要点が読者に伝わるように整理しています。
部署・事業紹介の記事は、社員同士の仕事内容や職場環境を共有することができます。1つの部署の業務状況や業務フロー、最近注力している取り組みやプロジェクトなどを深堀して社員に伝えることで、会社全体の理解の促進にもつながります。
ラフ例では紹介する部署のことをなるべく分かりやすく社員に伝えるために、ポイントを吹き出しごとに紹介するよう整理しています。また、それぞれの吹き出しには図やグラフ、写真などを1点以上添えるようにし、パッと見でも社員に興味を持ってもらえるよう意識しています。
社員座談会の企画は社員同士の交流を深め、相互理解を促すことができます。また、日常業務に集中しているとなかなか知ることができない、他社員の仕事の様子やプライベートについても紹介できます。記事を読んだ社員に、「この人はこういうことに詳しいんだ。今度相談してみよう」「この人ってこんなことに興味があったんだ」と思ってもらうことができると、今までになかった社員同士のコミュニケーションが生まれるきっかけにもなります。
ラフ例では文章をしっかりと入れながらも、座談会参加者の顔が見えるよう、写真も多く入れるようにしています。また、個人写真の箇所には簡潔にまとめた紹介文を重ねて掲載し、座談会参加社員の顔と人となりが結びつくようにしています。
力を入れて特集の企画・ラフの制作と準備を進めてきたのに、パッと見のデザインで「ごちゃごちゃしていて読みにくいな……」と読者に思われてしまうともったいないですね。ラフで誌面の要素を考えたときと同じように、デザインについても盛り込みすぎには注意が必要です。特に気を付けたいのは「テーマ」「素材」「色」の3つ。実際にデザイン作業をするのはデザイナーなどプロですが、ご担当者さん自身も依頼する際に指示を盛り込みすぎないことを意識しましょう。
関連記事すぐに役立つ!社内報デザインのコツテーマも素材も色使いも、「ちょっとだけ我慢」が社内報デザインのコツです。
社員の皆さんに読んでもらえる・伝わる特集にするためには、企画・内容・見た目(デザインや要素のボリューム)のバランスを整えることが大切です。
コラムでは太平社が制作をお手伝いした企業様の社内報制作・特集制作事例を掲載しています。こちらもぜひご覧いただき、社内報制作の参考としていただければ幸いです。
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社内報制作や企画・デザインにお悩みがあるご担当者様は、ぜひご相談ください。冊子全体の制作だけでなく、1コーナーだけの制作やデザインも承っています。また、制作にかかわる情報交換だけでも大歓迎です。お気軽にお問合せください。