2022.10.13 2023.04.25更新 社内報制作の基礎
テーマも素材も色使いも、「ちょっとだけ我慢」が社内報デザインのコツです。
掲載する内容を細かく決めたのに、いろんな部署から「どうしてもこれを載せて!」との連絡…(泣)。社内報担当者ならよく経験するパターンではないでしょうか。しかし、すべてを誌面に盛り込もうとすると、すべてが中途半端にしか伝わりません。
デザインの依頼時、特に盛り込み過ぎに気を付けたいのは「テーマ」「素材」「色」の3つです。テーマは、できるだけグループ化して絞るのがコツ。また、重要度、緊急度に応じて優先順位を決めると、扱いの大小を判断しやすくなります。また、描いたラフの余白が不安になる人もいます。そんなときはデザイナーに任せるのも一案。びっしり詰め込むより、1~2割の余白があるほうが、むしろデザイナーはスペースを生かしやすくなります。色は、「トーン」などの基本を覚え、シンプルな色使いを心掛けるとよいでしょう。色数が多過ぎると、互いに主張し合ってポイントがぼやけます。
腹八分目は、社内報づくりにも当てはまります。社員に“満腹”を押し付けず、心地よく社内報に接してもらいましょう。
安心感のあるページづくりに大切なのが「余白」。特に、社長のページなど「ゆとり・品格」を表現したいときにオススメです。ページに抜け感をつくり、落ち着いた雰囲気を与える「余白」。左は、写真の真横に余白をつくったもの。このわずかな余白で、ページのイメージが大きく変わります。
色相…色味の種類が「色相」。隣り合わせの色は「同系色」、向かい合った色は「補色」の関係にあります。
トーン(明度・彩度)…明るさが「明度」、鮮やかさが「彩度」。使用する色をトーン内の色でそろえるとページに統一感が出ます。
色の使い方…色使いも〝腹八分目″に抑えるのが大切です。
誌面のテーマ―カラー決めはデザイナーなどプロに任せることが多いと思いますが、ご担当者さん自身にイメージがある場合はしっかりとデザイナーに伝えることが大切です。「赤色っぽく」や「青をベースに」と伝えるだけでもいいですが、印刷物の色の基準となるカラーチップや色見本帳を活用すると、デザイナーにより正確なイメージを伝えることができます。また、最近ではWeb上でカラーパレットを自動生成してくれるツールも普及しています。モニターと印刷物では色の再現方法が異なりますが、方向性を共有するのに役立つはずです。丁寧にイメージを共有することで修整回数も減らすことができ、社内報制作の効率化にもつながります。
また、色のイメージの捉え方は人それぞれですが、一般的に色が与える印象をまとめた「カラーイメージスケール」という図もあります。社内報の企画やテーマにあわせて、この企画はどんな色にしようかと考えてみるのもオススメです。
ご担当者をはじめとして、多くの人が関わってつくる社内報。労力をかけて、よい企画・内容の記事をつくっても、ぱっと見の第一印象で「ごちゃごちゃしていて読みにくいな……」と読者に思われてしまうともったいないですね。誌面の情報量のバランスを確認・調整するときは、ラフをつくると効果的です。「社内報誌面デザインの改善のコツはラフにあり」のコラムでは、ラフづくりの際に気を付けるべきポイントをご紹介しています。
社員の皆さんに読んでもらえる・伝わる社内報にするためには、企画や内容だけでなくデザインも大切な要素です。「【社内報】 新任担当者様によるリニューアル号が完成!」では、太平社が社内報のデザインリニューアルのコンセプト・テーマ決めからお手伝いした事例をご紹介しています。また、「SHARE」6号では、フォントが読者に与える印象について取材した記事を掲載しています。レイアウトや余白、色、フォントなど、さまざまな要素があり難しいデザインですが、ぜひ太平社のコラムをご覧いただき、より読まれる社内報づくりにご活用ください。
3つの「いっぱい」に要注意!
❶ テーマ...類似テーマは可能な限りグループ化。テーマの数をできるだけ絞りましょう。
❷ 素材...空きスペースに要素を詰め込み過ぎると、息苦しい誌面になってしまいます。
❸ 色...多くの要素を目立たせようと色を使い過ぎると、ポイントが伝わりにくくなります。