2023.09.13 社内報制作の基礎
社内報の企画が決まったら、次は誌面作成に必要な素材集め。関係部署に原稿を依頼したり、必要に応じて取材やインタビューを実施したり、社内報ご担当者にとっても大変な時期となります。そこで今回は社内報に必要な素材の整理から、取材までのポイントをご紹介します。社内報制作全体の流れを確認したい方は、「初心者必見 社内報制作の流れとポイント」の記事をご覧ください。
関連記事 初心者必見 社内報制作の流れとポイント社内報制作には欠かせない編集の解説から制作の流れまでご紹介します。
目次
社内報の企画・ラフ作成のあとは、いよいよ素材収集です。企画した時のイメージやラフに沿って、丁寧に素材を集めていきましょう。
社内報制作に必要な情報や素材は下の通り。
基本的に、情報は源流に近づくほど、新鮮で信頼性と独自性の高いものになります。しかし、時間と人手が限られる中、すべての情報で源流にアプローチするのは現実的ではありません。社内報内のコーナーや企画で優先順位を付けて、素材を集めるようにしましょう。
例えば、直接話を聞けば価値の高い情報が入ると見込めるテーマや特集ではインタビューを実施。連載コーナーや社員に事実を正しく周知することが大切なコーナーは、関係部署に原稿執筆を依頼したり、メール連絡で確認を済ませたりするのも一案です。
また、実際に素材・情報集めに動き始めると、予想通りに進まないこともあります。その場合は企画を修正・変更する判断も必要です。「社員(読者)のための社内報」という大原則に従い、臨機応変に情報を集めましょう。
社内報の素材集めでもっとも重要なのが、取材やインタビュー。基本の流れは、「仮説(企画・取材前の準備)」→「検証(取材・インタビュー)」→「実行(原稿作成)」となります。
まずは、企画時や取材前にしっかりと仮説を立てて、どのような話を聞くことができるか、どのような内容の誌面・コーナーになるか考えておくことが大切です。質問項目やコーナーの軸を準備しておくと、取材・インタビュー中に予想に反した答えが出ても、臨機応変に対応できるはず。実際に、取材を進めると、いい意味で自分の仮説が裏切られることも少なくありません。その場合は企画趣旨を生かしつつ、相手が伝えたい内容を丁寧に収集しましょう。
仮説(企画・取材前)、検証(取材・インタビュー)が終わったら、最後は実行(原稿作成)です。一人称視点の語りや一問一答など、原稿の書き方も工夫して、読者=社員に伝わるように原稿をつくりましょう。
また、取材やインタビューをする前は必ず対象者に取材依頼の連絡を入れましょう。取材前に準備すべきことは、コラム「社内報の情報は鮮度が一番!」に詳しく紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。
関連記事 社内報の情報は鮮度が一番!締切などの限られた時間の中で、より良い社内報を作ることができるよう、情報収集のポイントをご紹介します。
良い取材・インタビュー記事をつくるには、相手の本音を引き出すことが不可欠です。インタビュアーが聞きたいことばかり優先して相手の気持ちを置き去りにすると、話し手は心を閉じてしまいます。
取材中は言葉だけでなく、相手の表情や身ぶり・手ぶりからもヒントが得られます。相手の顔色がパッと明るくなったり、ジェスチャーが大きくなったりする瞬間は、相手が強く伝えたい話である場合が少なくありません。単に言葉だけを引き出そうとせず、言葉以外の情報も含めた相手の「気持ち」に耳を澄ますことが「聞き上手」への近道です。
また、相手の話を楽しそうに聞く態度はもちろん、「このインタビュアーは、私の話をしっかり聞いてくれている」と感じてもらうことが重要です。例えば、相手が言葉をうまく選べずに沈黙している場合。聞き手は、ついついせかしたくなりますが、こんな時こそ、相手のペースを尊重することで、その人らしい言葉が引き出せるチャンスに変わります。
取材も基本は会話です。記事に必要な言葉を聞き出すことも大切ですが、コミュニケーションであることを忘れずに。相手の気持ちを尊重し、敬意を払えば、自然とこれら10個のポイントも押さえられるはずです。
関連記事 社内報取材のコツ 目指せ! 聞き上手インタビューのコツを解説します。取材をするときは、相手にいかに気持ちよく話してもらうかが大切です。いくつかのポイントをしっかりと押さえ、聞き上手を目指しましょう
関連記事 社内報のインタビュー時は、相手への感謝を忘れずに多くの人の協力で実現するインタビュー取材。「ありがとう」の気持ちを忘れずに取り組みましょう。
部署や世代を超え、さまざまな立場の社員を結び付ける座談会は、社内報にぴったりの企画です。事前の準備が大切なことは普通の取材やインタビューと変わりませんが、座談会では特に参加者たちにリラックスしてもらうことが大切です。参加者は年代や役職も異なる場合が多いので、参加者の気持ちをほぐすのも、司会を務める社内報担当者の大事な役割となります。
また、座談会中は全員に気を配り、バランスよく意見を引き出すことを意識しましょう。発言の少ない人にさりげなく質問を向ければ、誌面で生かせるコメントを引き出すことができるはずです。
座談会では社内報担当者の仕切り力が試されます。場合によってはプロのライターに依頼をし、座談会の取材・原稿作成をお願いするのも一つの手段です。
関連記事 座談会の仕切り方さまざまな参加者が顔を合わせる座談会。社内報担当者の「仕切り力」が試されます。
取材・インタビュー時は、写真撮影も忘れずに行いましょう。取材した人の雰囲気や話している時の笑い声、現場の様子などは、文章だけではなかなか読者に伝わりません。
また、座談会など社内報担当者の負担が大きくなる場合は、プロのフォトグラファーに依頼するのもオススメです。座談会の仕切りに集中するあまり、シャッターチャンスを逃してしまうということも防ぐことができます。
社内報担当者ご自身で撮影をしなければいけない場合は、ぜひ事前に写真撮影Tipsをご確認いただき、写真撮影のポイントを押さえたうえで取材やインタビューに臨んでください。
関連記事 写真撮影Tips