2022.09.30 2023.08.18更新 社内報制作の基礎
さまざまな参加者が顔を合わせる座談会。社内報担当者の「仕切り力」が試されます。
目次
社内報によく登場する企画の一つが「座談会」。部署や世代を超え、さまざまな立場の社員を結び付ける、まさに社内報にぴったりの企画と言えるでしょう。
細心の準備が必要なのは通常のインタビュー・取材と変わりません。ただ座談会では、参加者たちにリラックスしてもらうことが特に大切です。ほとんどの参加者は初対面同士。年代や役職もバラバラなケースがほとんどでしょうから、緊張する参加者が多くなるのは仕方ありません。参加者の気持ちをほぐすのも、司会を務める社内報担当者の大事な役割です。
また、座談会が進んでいく中では、参加者全員に気を配り、バランスよく意見を引き出すことが欠かせません。テーマの核心に差し掛かった場面では、発言の少ない人にもさりげなく質問を向ければ、誌面で生かせるコメントを引き出すことができるでしょう。
座談会は、社内報担当者にとって、一度に多くの社員と顔を合わせられる大切な機会。座談会のテーマに限らず、それぞれの部署の人たちと積極的に雑談を交わしておきましょう。今後に役立つ企画のヒントがたくさん見つかるはずです。
キーパーソンには早めに依頼。参加者が多種多様だと、意外性のある楽しい誌面になります。年代、部署、性別、役職などバランスよく加味してください。社員の交流を促すのは、社内報の大切な役割です。
座談会企画を考えるときは、「企画のテーマ」→「人選」のテーマ優先と「人選」→「共通のテーマ」の人選優先と、大きく2つのパターンが考えられます。テーマ優先の場合は座談会参加者共通の話題があるため話も盛り上がりやすく、深堀することができます。一方、扱うテーマによっては参加者が普段の仕事から近い環境にいることも多く、意外性が生まれにくいことも。
反対に人選優先だと、普段あまり話したことのない社員同士の以外な共通点が見つかったり、立場の異なる社員がそれぞれ普段どのようなことを考えているのか意見交換ができたり、新たな社員の交流が期待できます。一方で、座談会参加者の共通の話題が少ないため、インタビュアーや社内報担当者の当日の仕切り力が試されます。
社内報ではテーマ優先で企画を検討することが多くなると思いますが、場合によっては「●●さんと■■さんに対談してもらったら面白そう!」と企画の切り口を人にしてみると発見があるかもしれません。
4~5人が目安。「全体の文字数 ÷ 参加人数」もザッと計算し、1人あたり300 ~ 500 字は確保しましょう。そうすれば、参加者が「私の話がほとんど記事に出てない」とガッカリすることが防げます。
参加者が座談会ですぐうち解けられるように、互いのプロフィールを事前に共有しておくのがオススメ。また、誌面で使うことを想定して、各自の抱負などは文字数を決めたうえで依頼するようにしましょう。
良い取材をするためには参加する人たちにリラックスしてもらうことが欠かせません。まずは、司会を務めるあなたから参加者に元気よくあいさつ! 参加者の中に知り合いや同期がいるようであれば、その人たちの話題から雑談を始めると場が和みます。
いよいよ座談会スタート! 発言が1人に偏らないように司会は注意深くコントロールしましょう。早い段階で参加者の特徴をつかむのがポイントです。テーマの要所では、控え目な人にも質問して発言を促します。参加者全員への配慮が大切です。
席の形は「コ」の字より「逆V」や「L」がオススメ。参加者がカメラマンに正対しやすいため、良い写真が撮れます。
座談会の取材も基本的には通常のインタビューと変わりませんが、話す人の配分を考えたり、その場の話題をうまく回したりと、社内報担当者の負担も増えます。場合によってはプロのライターに依頼をし、座談会の取材・原稿作成を依頼することも一つの手段です。その際は、座談会の前に企画の意図や切り口、当日の質問内容、座談会参加者のプロフィール・事前資料などをしっかり共有するようにしましょう。また、座談会後に原稿で使用してほしいキーワードなどをライターと確認することもオススメです。
記事は参加者全員のコメント掲載が大原則です。発言回数、コメントの量による偏りをできるだけなくしましょう。そのためにも、座談会では、一人一人のコメントを丁寧に集める意識を持つことが大切です。
比較的、短い言葉をテンポよくつないでいくのが座談会ページの文章。それだけに、通常のインタビュー以上に、参加者の意図や思いが原稿に正しく反映されているか、慎重に確認しながら進めていくことが重要です。
会場で実際に起きた笑い声などを、誌面では残念ながら音声として伝えることができません。それだけに、参加者同士が視線を合わせて笑っているシーンなど、臨場感たっぷりの写真を優先的に選びましょう。
座談会の際はプロのフォトグラファーに依頼をしたほうが、盛り上がっている一瞬を確実に写真に収めることができるのでオススメです。
社内報担当者ご自身で撮影をしなければいけない場合は、ぜひ事前に写真撮影Tipsをご確認いただき、写真撮影のポイントを押さえたうえで座談会に臨んでください。
前準備と誌面からの逆算で座談会はバッチリです。
参加者が「協力してよかった」と感じる誌面づくりを心掛けましょう。