2022.11.11 2023.06.21更新 社内報制作の基礎
入稿したデータと紙に刷られたもの(ゲラ)を照合するのが校正です。社内報は企業内の情報を正しく共有し、コミュニケーションを図るための媒体です。そのため、内容も正確なものでなければなりません。校正は社内報制作担当者にとって欠かせない作業の一つです。目的や基本をしっかりと押さえましょう。
入稿したものと実際に印刷されたものの「照合」が校正です。「修正」が目的ではありません。PDFデータで校正のやり取りをする際も、必ずプリントアウトして確認してください。全体的な視点で社内報誌面のバランスを見たり、細部に注意を持ちながら正しく文章が反映されているかを確認したり、遠近両方からチェックすることが大切です。
社内報は企業内の社員のコミュニケーション促進を図る重要なツールです。正確な情報を伝え、読者=社員に信頼される媒体となるように心がけましょう。
あなたが一生懸命用意した入稿素材が、実際の冊子にどのように反映されるのか。社内報担当者にとって、自分の思い描いたページがカタチになる、楽しみな瞬間です。
1回目の校正を初校、2回目が再校と言います。最も大事なのは初校。再校は「初校での修正がきちんと直っているか」を見る程度にしましょう。
初校では特に、入稿前に作成したラフが、照合の大きな「土台」になります。全体を俯瞰して、そのページの企画意図が社員=読者に伝わるか、ゲラとラフをじっくり見比べてください。また、連載記事などがある場合は、前号との整合性を確認する必要があります。連載回数やタイトル周りなど、前号を手元に置いてチェックしましょう。
文字の校正で特に気を付けたい点は、人名や部署名などの固有名詞や数字。
例えば、誤った電話番号を掲載してしまうと社外の第三者にまで迷惑をかけてしまう可能性があります。また、社内報ではリストや表を掲載する機会も多いと思います。そのような細かいチェック作業の際は、仲間に声をかけて「読み合わせ」を行うこともおすすめです。誤字・脱字などで社員の信頼を裏切らないためにも、校正は非常に重要な作業です。念には念を入れて進めましょう。
原稿または直前に行った修正指示は、正しく反映されていますか?
校正作業を効率化するために、校正記号をぜひ活用しましょう。JISで規定された校正記号を用いれば、社外のデザイナーや制作会社とのやり取りもスムーズに進めることができます。「赤字が間違って伝わってしまった」「デザイナーから赤字内容の確認が多く、手間が増えてしまう」などの経験がある社内報担当者は、この際にぜひポイントとなる校正記号を覚えてみてください。
社内報など誌面が限られる紙媒体においては、文字数の増減も重要なポイント。デザイン、見た目の印象だけでなく、読みやすさなどにも関わることがあるので、以下のテクニックを活用して文字数の調整をしてみましょう。
校正時にやっておくと便利なのが、表記ルールのデータベース(DB)作成です。どの文字や漢字を使うか(用字)や用語の使い方、送り仮名のルールなどを社内報内で統一するために活用します。また、企業によって独自の用字や用語のルールが決められていることもあるので、事前に確認しておくこともおすすめします。校正作業中には表記に関する新たな気づきが生まれることも多いです。メンバーと協力して項目を増やしていけば、編集部の財産となります。
太平社が発行する広報担当者様向け情報誌「SHARE」でも、校正に関する情報を発信しています。
vol.2「校正について語ろう」では、当社主催「基礎から学べる 校正・校閲ワークショップ」で講師を務める木下彰二氏のインタビューを掲載。
vol.10「校正を効率化するには」では、当社も導入する校正支援ツール「Just Right! Pro」の活用をサポートする若山陽介氏に校正効率化の方法やコツをお伺いしています。
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