2022.06.01公開 2023.02.25更新 社内報制作の基礎
大勢の人と取り組む社内報づくり。チームの力を引き出すディレクションのスキルを磨きましょう。また、誌面づくりの第一歩となるのが編集会議です。誌面の完成イメージや制作の段取りを、メンバー間でしっかり共有しましょう。
社内報を1人でつくるのは非常に困難です。通常は、社内外を問わず多くの人で「チーム」を組み、サポートを受けながら制作していきます。
チームの中心となるのは、もちろん社内報担当者のあなた。あなたに一番求められるのは、的確かつ素早く判断していくディレクターとしての能力です。そのためには、誌面を通じて伝えたいメッセージ、誌面が完成したときのイメージや、各工程の期日を明確にしておくことがポイントです。そこが曖昧だとテキパキと指示が出せず、「チームメイト」の能力を引き出すことができません。
それぞれの専門家とコミュニケーションを交わすには、社内報担当者にも、文章作成やデザインなどに関する基礎知識は必要です。ただ、こうした知識は、実務の中でプロにアドバイスを受けながら、少しずつ高めていけば十分です。疑問に思ったことは、その場で遠慮なく質問していきましょう。
実際に社内報をつくっていると、素晴らしい写真を目にするなど、プロの技に驚く機会が多数あります。そんなときは「すごいですね!」と感謝や敬意を言葉で伝えましょう。こうした一言が、チームの士気向上につながります。
関連記事 SHARE編集会議をうまく機能させるには、制作チームのマネジメントが重要です。
その道のプロへのインタビュー記事「成功する制作チームの理由」もぜひチェック!
無料で読める広報担当者向け情報誌「SHARE」のvol.05に掲載されています。
編集会議では、担当ディレクターの用意したページ割、スケジュールを基本に、特集ほか各コーナーの詳細、役割分担を決めていきます。
まずは、特集を中心に(連載は確認程度で十分です)、今号で伝えたい内容の大枠を全員で共有。テーマは、例えば「環境」のような漠然としたものではなく、環境を通して「会社が目指している姿」、その中で「ポイントとなっている取り組み」などを基点に話し合いを深めていきましょう。そのためには、事業責任者へあらかじめヒアリングしておいたり、その内容を前もってメンバーに伝えておくと、より具体的な話し合いができます。
また、今、社員(読者)が関心を持っていることや会社の新しい動きについて雑談したり、前号のデキについて意見を出し合うのも、企画のヒントや誌面改善につながります。各メンバーが感じていることを、率直に述べ合う時間も意識的に取り入れてみましょう。
企画(編集)側が伝えたいことを一方的に押し付ける誌面になっていないか気を付ける冷静さも欠かせません。あくまでも読者である社員が共感してくれる内容か、常に意識しながら会議を進めることが大切です。
理想的な編集会議とは、多くのアイデアが出て、参加者全員の意見が活発に交換できる場です。しかし、実際には台割やスケジュール、担当者の確認など必要最低限のチェックだけで終わってしまうケースも数多く見られます。そんな時は担当ディレクターであるあなたがファシリテーター(進行役)を務めてみましょう。意見の出しやすい空気をつくることは難しく思われがちですが、ブレインストーミングやマインドマップ、マンダラチャートなどのフレームワークを活用してみると、編集会議の雰囲気も変えることができるはずです。
また、ホワイトボードを活用して、社内報の発行目的やその場で出た意見を「見える化」するだけでも編集会議の雰囲気は変わります。
編集会議のちょっとした工夫が、より良い社内報につながります。ぜひ試してみてください。
誌面づくりの第一歩となる編集会議。段取りとイメージの共有だけでなく、運営を少し工夫して、有意義な会議にしましょう。