COLUMN コラム

社内報のための、伝わる文章の基本

2022.06.01 2023.10.17更新 社内報制作の基礎

伝わる文章はシンプルが一番。ちょっとしたコツを実践するだけで、思いが伝わる文章に変わります。

文章力はテクニックで高められる

社員(読者)に思いを伝えるには、当然、文章が分かりやすくなければなりません。社内報担当者の中には、「原稿を書くのが苦手」と感じている人も多いようです。ただ、分かりやすい文章を書くには、経験も必要でしょうが、テクニックでカバーすることが十分可能です。これまで自己流でやってきた方は、ぜひ、ここで紹介する方法を試してみてください。

文章は、誰もが子供のころから書いているだけに、できている“つもり”になりがち。ちょっとだけ謙虚な気持ちで自分の文章を見直してみましょう。

文章の作成でまず大事なのはフレームワーク(全体の枠組み、構成)。伝えたいことを念頭に置きながら話の流れを整理し、分かりやすく書くには、「地図」となるメモを手元に置いておくと便利です。

また、曖昧さをなくすため5W1Hを意識することや、1つの文章を約50字以内に収める習慣が身に付くと、文章力は格段にアップします。

分かりやすい文章を書くコツ

メモを活用!

伝えたいことやキーワードをメモに「見える化」し、文章作成中に確認しましょう。話の流れを箇条書きまたは図式化しておくと、文章作成の良い案内役となり、スッキリした文章が書きやすくなります。

文章のアウトラインから書き始めてみる

社内報の文章は基本的に、タイトル・サブタイトル、リード文章、見出し(大・中・小)、本文などから構成されています。一般的にこうした文章の階層や流れ、輪郭のことをアウトラインと言います。原稿作成の際に本文冒頭から書き出す人も多いかと思いますが、いきなり文章を書こうとしてもうまくいかないことがしばしば。まずはキーワードや話の流れの箇条書きをもとに、このアウトラインから着手するのも1つのテクニックです。

アウトラインを考える際は、本文よりも上の階層となる見出しをつくることから始めましょう。この際、見出しは仮のもので構いません。一度仮見出しを書き出したら、読者が読みやすい流れを考えながら、並び順を整えます。その後は、自分の書きやすい仮見出しから本文を書いていきます。原稿全体の流れは、仮見出しの順番を整えた時点でおおまかにできているので、無理に本文冒頭から書き出す必要はありません。仮見出しごとにある程度文章を書くことができたら、内容を踏まえつつ改めて仮見出しと掲載順を見直してみましょう。場合によっては仮見出しの順番を入れ替えたり、新たな見出しを追加しても大丈夫です。一度で完璧な原稿を目指そうとはせず、全体の流れ(仮見出し)と本文を行き来しながら、仕上げていきましょう。

実は、原稿作成で多く使われるMicrosoftのWordやGoogle Docsにはこのアウトライン作成に適した表示モードが標準で備わっています。また、アウトラインプロセッサやアウトライナーという名前で、アウトライン→文章作成という流れに特化したツールも数多く出回っています。
社内報の原稿作成の際、書き出してつまずいてしまう人は、ぜひ一度アウトラインから書き始める方法も試してみてください。

常に5W1Hを意識しよう

日本語は曖昧な言語のため、しばしば主語などを省略するケースがあります。情緒的な文学作品なら別ですが、社内報では、5W1Hを常に意識していないと文章がボヤけてきます。しつこさを避けるために省略する場合でも、書き手は常に5W1Hを意識しておきましょう。文章を書くときは、いつ(When)、どこ(Where)、誰(Who)、何(What)、なぜ(Why)、どのように(How)を常に自問自答してみてください。

難解な言葉は使わない

よくあるケースが、カタカナや難しい言葉をついつい使ってしまうこと。まずは、その言葉をきちんと理解しているかどうか、自分自身でよく確認してみましょう。“勢い”で書いてしまうと、後々、文章の整合性が取れなくなり、読者に不信感を抱かせる結果となります。あなた自身が正しく理解していないと、読者にきちんと伝わりません。あくまでも、自分が“理解した”言葉で伝えるのが基本です。

直線コースを選ぼう

社内報など会社で使う文章は、直接ゴールに向かうのが基本。逆接→逆接のように、行ったり来たりする言い回しは避けましょう。迷ったときは「結論ファースト」。冒頭に結論を持ってくるのが有効です。

1文は50字程度で切る

簡潔に言えないことは、結局、自分でも分かっていないケースがほとんどです。そのような文章を目にした読者は当然、混乱して不快な気持ちになってしまいます。目安ですが、50字を超えるときまたは3行に1回程度は、句点「。」を入れるようにしましょう。1つの文に形容詞(句)は多くて2個まで。また、「難しいはずはない」→「簡単」のように、できるだけシンプルな表現を探してみましょう。

音読して推敲♪

意外と効果的なのが、音読による推敲。字を目で追う(視覚)だけでなく、声に出して音として聞いてみる(聴覚)と、意外と気付きがあります。社内報の読者が実際に声を出して読むことはないでしょうが、文章上のミスや読みづらさを防ぐ目的では、試してみる価値があります。オフィスで声を出すのが難しい場合は、心の中で読んでみてください。文章のリズムなども確かめられて便利です。

文章力の向上は、「伝える力」の向上。

社員(読者)にモヤモヤを起こさせず、スッキリ正しく理解してもらうため、文章による「伝える力」を高めましょう。

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