2023.04.26 写真撮影Tips
企業のWEBサイトやSNS、各種パンフレット、社内報などのクオリティにも大きく影響する写真撮影。最近は撮影機材の進化とともに、担当者様が自ら撮影した写真を使用するケースも多くなってきました。そんな中、「もっとうまく写真を撮りたい」「どうしたらあんないい感じの写真が撮れるかコツを知りたい」という担当者様も多いのではないでしょうか。
この連載では、「一眼レフを使って撮影をしたい!」という担当者様に向けて、一眼レフカメラの基礎知識、制作に使うための写真の撮り方のコツ、社内のよくある撮影シチュエーションでの撮り方など、初心者の方にも役立つ撮影Tipsをお伝えしていきます。ぜひこちらの記事を読んで、担当者様ならではの視点・タイミングでしか撮れない、ベストショットを狙ってくださいね。過去の連載記事はこちらから。
Vol.3となる今回は、「広角」や「望遠」といったレンズの特徴についてお伝えします。この知識を押さえれば、場面や被写体に合わせたレンズ選びができるようになりますよ!
皆さんがお持ちのレンズや、会社にあるカメラのレンズの多くは、キットレンズという、カメラ本体とセットで販売されている「ズームレンズ」だと思います。これは、レンズを回して画角が変えられるレンズで、標準的な撮影にはとても便利です。「画角」というのは、カメラで写せる範囲を指していて、広角は広い範囲を写すことができ、望遠は遠くのものを大きく写せます。ズームレンズの場合は、レンズを伸ばせば望遠に、縮めれば広角になります。
ここで実際に、ズームレンズを見てみてください。
こちらのレンズには白い文字で18、24、35、50、70、105と書かれていますね。これは焦点距離を示していて、単位はmm(ミリ)です。焦点距離が短い=広角、焦点距離が長い=望遠となります。
デジタルカメラの場合は、カメラ本体の種類によって異なりますが、一般には35mmが人の目で見る範囲に近い「標準レンズ」に該当します(プロカメラマンが使うような、センサーサイズが大きい一眼レフカメラの場合は50mmが標準レンズ)。それより短い焦点距離(18mmや24mm)であれば広角レンズ、それより長い焦点距離(70mmや105mm)であれば望遠レンズになるということです。
続いては、レンズを広角にした場合、望遠にした場合の写りの違いなども見ていきましょう。
この写真は建物がダイナミックに映っていますね。特に、写真下部は建物が湾曲して見えます。これは、広角レンズによる効果です。広角レンズは広い範囲を写せる分、写真の四隅にかけてゆがみが出ます。遠近感や大きさを強調したい場合に適していて、その効果をより高めた魚眼レンズという特殊なレンズもあります。
一方で、商品を正確なイメージで伝えたい時や、証明写真のようにかっちりとした印象で人物を撮るときは、ゆがみが出てしまうため適していません。
ちなみに、レンズには最短撮影距離というものが存在します。被写体にピントが合う最短の距離のことです。それよりも被写体に近づいてしまうとピントが合わず、シャッターが切れなくなってしまいます。ズームレンズの場合は、焦点距離によって最短撮影距離も変化し、広角側にした方が、より被写体に近寄って撮ることができるようになるということも覚えておきましょう。
加えて、前回のコラムでもご説明した、絞りの解放値もズームの具合によって変化する場合があります。キットズームレンズの多くは、広角側にした方が、より小さいf値で(明るく)撮影することができます。高価なレンズの中には、望遠にしても解放のf値が変わらず撮れるものもありますよ!
レンズを望遠に変えると、被写体にカメラを意識させずに、離れたところから撮影ができます。望遠は広角と違ってレンズのゆがみが出にくいため、ポートレートや正確なイメージを伝えたい商品撮影などにも適しているでしょう。ただし、レンズが長くなって手持ちでは不安定になる上、狭い範囲を大きく映し出すことによって手振れしやすくなってしまいます。こういった場合は、三脚を立ててカメラを固定して撮影するのがおすすめです。
また、多くのズームレンズは、望遠側にすると最短撮影距離が長くなり、被写体から離れないとピントが合わなくなる点にも注意が必要です。「撮影現場で急にシャッターが切れなくなって困った!」というお悩みは、最短撮影距離が理由かもしれません。
広角の場合と逆で、キットズームレンズの多くは、望遠側にすると絞りの解放値が大きく(暗く)なる点も覚えておいてください。具体的な場面でよくあるのが、経営方針説明会など、スライドを投影して説明する暗い会場で、レンズを望遠にして離れたところから撮影したいというパターン。これまで説明したように、キットズームレンズでは望遠にするとf値が大きくなり、写真が暗く、手振れしやすくなるので、実は撮るのがかなり難しいのです。そのような場面で失敗しないためには、①ISO感度をなるべく高くして、手振れしないシャッタースピードで撮れるように設定する、②なるべく明かりがついているところで撮影する、③レンズを広角側にしてf値を小さくして撮る、などの工夫が必要でしょう。
いかがでしたでしょうか。レンズの特徴を知って、被写体や場面に合わせた写真が撮れるようになってくださいね。
次回は、写真の印象を大きく左右する光のコントロールについてお伝えする予定です。ぜひお楽しみに!
太平社では、担当者様向けに一眼レフカメラやスマホカメラを使った撮影ワークショップも随時開催しています。当社が過去に開催したワークショップのレポートはこちらからご覧いただけます。
写真撮影ワークショップについてのレポートや、広報用撮影の経験が豊富なカメラマンへのインタビュー記事は広報担当者向け情報誌「SHARE」でも掲載中です。ご興味のある方は下記よりお申し込みください。