COLUMN コラム

カメラの基本用語(絞り、シャッタースピード、ISO感度)

2023.03.31 写真撮影Tips

カメラの基本用語(絞り、シャッタースピード、ISO感度)

企業のWEBサイトやSNS、各種パンフレット、社内報などのクオリティにも大きく影響する写真撮影。最近は撮影機材の進化とともに、担当者様が自ら撮影した写真を使用するケースも多くなってきました。そんな中、「もっとうまく写真を撮りたい」「どうしたらあんないい感じの写真が撮れるかコツを知りたい」という担当者様も多いのではないでしょうか。

この連載では、「一眼レフを使って撮影をしたい!」という担当者様に向けて、一眼レフカメラの基礎知識、制作に使うための写真の撮り方のコツ、社内のよくある撮影シチュエーションでの撮り方など、初心者の方にも役立つ撮影Tipsをお伝えしていきます。ぜひこちらの記事を読んで、担当者様ならではの視点・タイミングでしか撮れない、ベストショットを狙ってくださいね。過去の連載記事はこちらから。Vol.2となる今回は、カメラの基本用語である「絞り(f値)」「シャッタースピード(SS)」「ISO感度」について解説していきます。この3つが理解できれば、ボケみをコントロールして思った通りの写真を撮るのも簡単になりますよ。

写真というのは光の像を結んでできています。これからご説明する「絞り」「シャッタースピード」「ISO感度」は、いずれもその光の量を調整するための機能です。この3つはそれぞれに関係しあい、写真の写り方にもそれぞれ違った影響があります。

絞り(f値)

絞りとは

レンズの開き具合のことを指します。お手持ちのカメラのレンズを覗いてみてください。穴が見えると思います。この穴は数枚の羽根が閉じたり開いたりすることで大きさが調整されます。穴の開き具合によって、どのくらいの光を取り込むか調整しているのです。つまり、穴が大きければ光がたくさん入り、穴が小さくなれば光は少ししか入りません。レンズに書かれている「3.5」や「8」などの数字は、この絞りの値を示しています。

絞りを開くと

レンズによってその数値は異なりますが、数字が小さいほど(1.4や2.8、3.5など)穴が大きくなり、光をたくさん取り込みます。f値を小さくすることを「絞りを開く」といったりもします。数字が非常に小さい(1.2や1.4など)レンズは「明るいレンズ」ともいい、非常に強いボケみが得られます。背景をぼかして被写体を浮き上がらせるように強調したい時には、f値の小さい、明るいレンズを使うのがいいということですね。ズームができない「単焦点レンズ」には明るいレンズが多くあります。
そのレンズがもつ一番小さいf値にすることを「解放する」といいます。解放での撮影は、ボケみが強くなる一方、ピントの合う範囲が狭くなるため、被写体にピントを合わせるのが難しくなるという点も覚えておきましょう。また、絞りを開けた場合には前述のように取り入れる光の量が多くなりますから、ほかの光の設定(シャッタースピードとISO感度)は光の量が少なくなるよう調整しないと、写真が明るすぎる(白飛び)ものになってしまうわけです。

絞りを絞ると

逆に、穴を小さくすることを「絞る」といいます。絞るとf値の数字は大きくなり(8や11、16など)取り込む光の量が少なくなります。絞るとピントの合う範囲が広く(深く)なるので、集合写真を撮る際などには絞りを絞って全員の顔にピントが合うようにします。
同様に、絞ると取り込む光の量が少なくなるので、ほかの光の設定(シャッタースピードとISO感度)は光の量が多くなるよう調整しないと、写真が暗くなってしまいます。

F2.8

F5.6

F16

シャッタースピード(SS)

シャッタースピード(SSとも表記)は、その名の通りシャッターを切る速さを示します。シャッターを切る速さが速ければ光は少ししか取り入れられず、逆にシャッタースピードが遅ければ光はたくさん取り入れられます。

シャッタースピードが速い、つまり1/数千~1/数万秒などでシャッターを切ると、物体は止まって写ります。落ちる滝の様子が止まって見えるような写真は、シャッタースピードが速いということです。

シャッタースピードが遅い、つまり1/数十秒や数秒かけてシャッターを切ると、動いている物体は残像のようにぶれて写ります。星の軌跡を写すために、数時間シャッターを開けて夜空を撮るような特殊な方法もあります。

企業の制作担当者の方が撮影する際には、わざとぶれた写真を撮りたいという場面は少ないでしょうから、基本的にはシャッタースピードは速い方が、被写体がぶれず失敗しません。手持ちで撮影する際、ぶれずにポートレートを撮れるシャッタースピードの限界は「1/125秒」くらいだと思います。ぜひこの数値を覚えておいてください。写真がぶれてしまう原因は、シャッタースピードが遅くなっていたということが多いのです。その場合は、絞りを開くか、ISO感度を上げるか、明るい場所へ移って撮影するかなどして、シャッタースピードを上げても明るく撮れるように調整しましょう。

ISO感度

読み方は、イソ感度やアイエスオーなど。こちらも光に関係するのですが、前述の2つと少し違い、光の感度を指しています。ISO感度を高くすれば、光の感度が強くなるので、例えば夜でも写真を撮れるようになったりします。その代わり、画質がざらざらと粒立ったものになって荒れてしまうので、きれいに撮りたい場合はISO感度を100や200など低い数値に設定した方が良いでしょう。
ただ、最近のカメラは性能が良いので、ISO感度を16000や32000など、それ以上に上げても制作物の使用に影響が出るほど荒れることはないかもしれません。どうしても暗い会場などで撮影しなければならず、シャッタースピードもこれ以上下げられない、絞りも解放状態…という場合には、ISO感度を上げて調整するのがベターです。

カメラのモードについて

最後に、「絞り」と「シャッタースピード」が理解できたら、カメラのモードについても知っておきましょう。

P(プログラム)モードとは、絞りとシャッタースピード、ISO感度など一通りの設定をカメラが自動で行ってくれるモードのことです。初めてカメラを触るときは、このモードで問題ありません。少し慣れてきたら、次のモードに挑戦してみましょう。

A(絞り優先)モードは、絞りを自分で設定することができ、それに合わせてカメラが自動でシャッタースピードを設定してくれるモードです。S(シャッタースピード優先)モードは、シャッタースピードを自分で設定でき、絞りをカメラが自動で設定してくれるモードになります。そしてM(マニュアル)モードは、絞りもシャッタースピードも自分で設定するモードです。これらを使いこなせるようになると、思い通りの写真が撮れるようになりますよ!

一度にすべてを覚えるのは難しいですね。いろんな場面でたくさん写真を撮るうちに、徐々に身についていきますから、ゆっくりカメラに慣れていってください。
次回は、レンズの種類についてお伝えする予定です。望遠と広角の違いや特性についてもご紹介します。ぜひお楽しみに!

太平社では、担当者様向けに一眼レフカメラやスマホカメラを使った撮影ワークショップも随時開催しています。当社が過去に開催したワークショップのレポートはこちらからご覧いただけます。

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