2022.12.19 2023.10.17更新 社内報制作の基礎
インタビュー取材で集めた素材をどう加工するか。文章のスタイルによってさまざまな伝え方があります。
目次
取材準備を整えて、ようやく実現したインタビュー。貴重な人の話を生で聞けるのは、この仕事の醍醐味です。できれば、その場の臨場感や“熱”を薄めることなく社員(読者)に伝えたいものです。インタビューから記事を起こす場合、一人称やインタビュー形式、記者の言葉、Q&Aなどがあります。どれを選択するかは、伝える内容(テーマは硬いか軟らかいか)、話者の個性、編集部の狙い(とにかく社長の生の声を届けたいのか、企画テーマで伝えるべき編集部の意向を重視するのか)、記事スペースなど、複数の要素を考慮して判断しましょう。一般に、年始の社長訓話や、理念・経営方針など、内容がやや硬いテーマは、一人称の記述が目立ちます。取材現場の臨場感を伝えやすいのは、インタビュー形式や記者の言葉によるスタイル。ポイントを端的に伝えたい場合にはQ&Aなどがよく使われます。
インタビューでは、相手の話す言葉そのものも大切ですが、「意図」をしっかり把握し、正しく伝えることが重要です。読者に誤った解釈を与える文章はないか。慎重に推敲を重ねましょう。
インタビュアーの発言や存在をなくし、インタビュイーが一人で話しているようにまとめる形式です。寄稿などの場合だけでなく、実際に取材をしたうえで、一人称の記事でまとめることもよくあります。基本的には「です。」「ます。」調の文章となるので、硬い文章や改まった文章に向いています。また、話者にフォーカスするため、話している人の思いや考え、個性など、メッセージ性を持たせることもできます。
社内報では社長や役員のあいさつ・メッセージなどを一人称形式でまとめると効果的です。
インタビュアーとインタビュイーの会話形式や、社員同士の対談・鼎談・座談会など、社内報でもよく見られる形式です。実際の会話や現場の雰囲気を伝えるよう、硬い文章ではなく普段のしゃべり口調や話し言葉を意識して文章を作成するのがおすすめ。ただし、くだけすぎないように注意しましょう。
レポート形式やインタビュイー(記者)の視点など、第三者の立場で原稿をまとめる形式です。一人称形式や会話形式、Q&A形式とは異なり「だ。」「である。」調で文章をつくることが可能。社内報では「です。」「ます。」調の文章が多くなりやすいので、1コーナーだけでもこの形式の記事があると、1冊の社内報の中でリズムやバリエーションを出しやすくなります。
社内報の企画では、部署や現場、最新プロジェクトなどの密着取材、イベントなどのレポートをまとめる際に最適です。ぜひ特集などで企画をして、三人称視点で客観性のある記事にもチャレンジしてみましょう。
インタビュイーとインタビュアーの対談形式にも似ていますが、こちらはよりポイントを押さえた一問一答形式になります。疑問→回答というシンプルな構成になるので、社員も読みやすく感じるはずです。
社内報の企画の際には「いまさら聞けない、社長への10個の質問」など、Q&Aの個数をタイトルに付けると、よりキャッチーで親しみやすい雰囲気になります。