ドロテー・ドゥンツェ 絵/H.C.アンデルセン 作
ウィルヘルム・きくえ 訳
定価:本体1,800円(税別)
33×24cm/24ページ/オールカラー
お姫さまを探し求める王子さまの前に、嵐の夜、雨に打たれ見るもあわれな王女さまがあらわれました。本当のお姫さまかどうかを確かめるため、お妃さまが試されたこととは……。
フランスの新鋭女流画家ドゥンツェが、アンデルセン童話の世界を独自のタッチで繊細華麗に描きました。
ひどい嵐の夜のことでございます。いなづまが光り雷がなり雨がたきのようにふりそそぎ、それはそれはおそろしい夜でございました。
そのさなかにドンドンとお城の扉をたたく音がいたしました。
そこでお年をめされた王さまが嵐の中を扉をあけにおいでになりました。
すると、ひとりのお姫さまがひっそりとたたずんでおいでになりました。
まあ! なんとおかわいそうに! お姫さまは風と雨にうたれ見るもあわれなすがたをしておられました。かみの毛からもおめしものからも水がしたたりおち、くつの先からも水が入ってあふれでておりました。
(中略)
そして20まいのしきぶとんを何人もの召使にはこばせて、えんどう豆の上におのせになりました。さらにその上に、20まいもの軽やかな羽のふとんをかさねたのでございます。