2024.07.01制作事例
太平社には、社内コミュニケーションに関わるさまざまなご相談が寄せられます。経営計画やビジョンの社内浸透もそのうちの1つ。会社の指針を社員に伝えるため「社内報の特集で企画したい」、「連載にして定期的に訴求したい」というご要望をよくお伺いします。
しかし、社員の皆さんに経営計画やビジョンの内容を共有する方法は社内報だけではありません。今回は複数の制作物を活用し、経営計画とビジョンの社内浸透に取り組んだ事例をご紹介します。
今回のお客さまは、首都圏エリアの駅業務を運営する株式会社JR東日本ステーションサービス(JESS)さま。2024年度から2027年度にわたる中期経営計画の検討が進む中で、新しい計画・ビジョンを社員に浸透させるために、広報ツールを制作したいというご相談を頂きました。太平社では、前の中期経営計画でも社内浸透のための広報ツールを制作。その際は、ビジョン冊子とクリアファイルをご提案しました。
JESSさまの中期計画の特徴は、経営層によるトップダウンではなく、若手・中堅社員のプロジェクトチームによりボトムアップで考えられた計画だということ。今回ご相談いただいた中期経営計画も同様で、前期計画の内容や結果を踏襲しているだけでなく、社員の皆さんが今感じていることや、これからこうなりたいという思いが込められた計画でした。
このような背景もあり、ご担当者さまからは「各現場で働く社員にこそ伝わってほしい」「若い世代の社員は動画に慣れ親しんでいるので、冊子だけでなくイメージ動画も使って訴求したい」というご要望を伺いました。
経営計画やビジョンを社内に浸透させるには、社員の皆さんに「理解・共感」、「自分ごと化」、「行動化」、「意識変化・習慣化」を促す必要があります。JESSさまからのご相談を受け、太平社では今回の制作物それぞれにどのような役割を持たせるのか整理し、内容や企画をご提案しました。
現場で働く社員の皆さんに登場していただき、中期経営計画に関する思いや、普段の仕事に対する熱意をインタビューする。「メッセージ性」「人物(同僚・仲間)」「言葉」を映像で伝え、共感を促す。
社員一人一人の手元に必ず届くという紙媒体ならではの特性を活用。職場や現場などでいつでも持ち歩けるよう、A5サイズでのご提案。中期経営計画が成立した背景や目的などをいつでも読めるようにして、「自分ごと化」を促す。
このように制作物ごとに期待する役割を整理すると、足りない部分が見えてきます。もちろん1つの広報ツールに複数の機能を期待することも可能ですが、その分役割が曖昧になってしまうことも。今回はJESSさまとの打ち合わせを通じて「行動化」、「意識変化・習慣化」を促すようなツールも制作することになりました。
中期経営計画のシンボルマークとなるようなロゴを制作。関連資料・制作物に統一感をもたらすだけでなく、ビジョンロゴ=中期経営計画に関わることと社員の皆さんに思ってもらえるよう、意識変化・習慣化を促す。
表面に中期経営計画の目標を記載した、2つ折りのカードを制作。中面部分には手書きのスペースを準備。社員一人一人が個人の年度目標を書き込めるようにし、「行動化」を促す。
実際の制作では、ビジョンロゴの提案から着手しました。今回の制作物全てに掲載し、中期経営計画のイメージを方向付けます。前の経営計画やビジョンとのつながりも踏まえつつ、新たな中期経営計画へと前進しているようなビジュアルを4案ご提案しました。
イメージ動画の制作では、制作チームに参画するビデオグラファー/映像ディレクターを中心に、動画の内容を検討しました。打ち合わせを何度も重ねながら、ご担当者さまの思いを伺い、構成やインタビュー項目を作成。こうした入念な準備は動画のクオリティーだけでなく、撮影当日をスムーズに進行するためにとても大切です。特に動画内に登場していただく社員の方にとって、大勢のスタッフに囲まれて撮影されることはめったにない経験です。完成イメージやインタビューする内容を事前にしっかりと伝えることで、撮影される側の不安や緊張を払拭し、普段から考えていることや思いを率直に語っていただけます。
また、今回は動画制作期間中に、JESSさま社内で全社員が一堂に会する機会がありました。そこで、最終ご納品用の動画とは別に先行公開用のティザー映像を準備。全社集会の場で映像を流すことで、中期経営計画への雰囲気づくりを行うことができました。
動画の制作と並行して、冊子と目標カードの制作も進行。冊子については、掲載したい内容や要素をご担当者さまから箇条書きでいただき、それをもとに太平社が内容を整理しました。メッセージやイメージを伝えるための動画と役割を明確にするために、冊子は経営計画の内容や策定背景、目標などがしっかりと伝わるように意識して、構成ラフをご提案し、デザインしていきました。
今回の事例では、新たな中期経営計画の始まりにあわせて複数の制作物を準備しました。しかし、長期にわたる経営計画やビジョンを浸透させるためには、単発のコミュニケーション施策では不十分なこともあります。そこで今回は、中期経営計画終了年までに制作する、広報ツールのロードマップ案もご提案しました。
長い期間をかけて社員の皆さんにメッセージを伝え、行動してもらうためには、繰り返しコミュニケーションを取る必要があります。
太平社では、社内報などの広報ツールの制作やオウンドメディア「SHARE」を通じて培ったノウハウを活用し、依頼されたものを制作するだけでなく、伝えたいことのために必要な制作物のご提案も行います。社内コミュニケーションでお困りの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。